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FIT制度は、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が国が定めた固定価格で一定期間買い取る制度です。
売電価格は毎年見直されており、その価格の推移は導入時期を検討する上で重要な指標となります。
本記事では、2024年度から2026年度の最新の売電価格、2025年10月から導入された新制度、そして買取期間が終了する「卒FIT」後の対策について解説します。
※ 2026年度の売電価格は調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」において取りまとめられた内容までを反映しています。
FIT制度とは、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーで発電された電気を、国が定めた価格で一定期間、電力会社が買い取ることを義務付ける制度です。
「Feed-in Tariff(フィードイン・タリフ)」の頭文字をとった略称で、再生可能エネルギーの普及促進を目的として2012年に開始されました。
この制度により、太陽光発電の設置者は、売電による安定した収入を見込むことができます。
FIT売電価格は、経済産業省の審議会によって決定されます。
住宅用太陽光発電(10kW未満)における2025年度の単価は1kWhあたり15円でした。
この価格は、各年度内にFIT制度の事業計画認定を申請した場合に適用されるため、導入を検討する際の重要な基準になります。
2025年度(2025年4月から9月まで)の住宅用太陽光発電におけるFIT売電価格は、1kWhあたり15円でした。この価格は、期間内に認定を受けた場合に適用され、その後10年間にわたって固定価格での売電が継続されます。
ただし、10月以降の申請分からは、初期費用の早期回収を目的とした「2段階価格FIT」という新制度へ移行となります。 導入時期によって売電収入の仕組みが変わるため、検討中の方は申請のタイミングを慎重に判断することが求められます。
※2段階価格FIT=正式名称「初期投資支援スキーム」
参考:経済産業省(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/data/shokitoushi.pdf)
2025年10月1日以降にFIT認定の申請を行う住宅用太陽光発電(10kW未満)から、新しい買取制度「2段階価格FIT(初期投資支援スキーム)」が導入されました。
この制度は、導入初期の売電価格を高く設定することで、設置にかかる費用の早期回収を後押しすることを目的とした仕組みです。
従来の固定価格とは異なり、10年の買取期間中に売電価格が変動する点が大きな特徴となっています。
2段階価格FITでは、10年間の買取期間が2つのフェーズに分かれます。
最初の4年間(1〜4年目)の売電価格は1kWhあたり24円と、従来の価格よりも高く設定されています。
一方で、5年目から10年目までの残りの期間は1kWhあたり8.3円となり、大手電力会社の卒FIT後の買取価格に近い水準まで下がります。
この変則的な価格設定により、ローン返済など初期の経済的負担を軽減する設計になっています。

新制度の最大のメリットは、初期費用の回収期間を短縮できる点にあります。
導入から4年間の売電価格が高いため、ローンを利用して設置した場合でも、当初の返済負担を大きく軽減することが可能です。
これにより、太陽光発電導入の経済的なハードルが下がり、より多くの家庭で設置を検討しやすくなります。
特に、設置費用をできるだけ早く回収したいと考える場合に有効な選択肢となります。
注意点として、5年目以降は売電収入が大幅に減少することが挙げられます。
10年間のトータルでの売電収入は、従来の固定価格制度とほぼ同等になるように設計されています。
そのため、5年目以降は売電に頼るのではなく、発電した電気を家庭で使う「自家消費」の比率を高める工夫がより重要になります。
将来的に蓄電池を導入し、夜間や悪天候時に電気を効率的に使うといった対策も視野に入れる必要があります。
2025年度から継続して、2026年度にFIT認定を申請する住宅用太陽光発電(10kW未満)にも新制度の2段階価格FITが適用されます。
この制度では、導入初期の費用回収を早めるため、買取期間の10年間で売電価格が変動する仕組みとなっています。
具体的には、設置1年目から4年目までは1kWhあたり24円という高い単価で買い取られます。その後、5年目から10年目までの期間は1kWhあたり8.3円に設定されています。(意見ベース)
2025年度の上期までは15円の固定価格でしたが、2026年度は申請時期を問わず、この新しいスケジュールに基づいた売電価格が適用される点に注意してください。
※売電価格は確定値ではなく「調達価格等算定委員会」の意見ベースです
参考:経済産業省 ニュースリリース”再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2026年度以降の買取価格等と2026年度の賦課金単価を設定します”, ”https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260319004/20260319004.html”
住宅用太陽光発電(10kW未満)のFIT売電価格は、2012年度の制度開始当初は42円/kWhでしたが、設置費用の低下に伴い年々引き下げられています。
2025年度からは大きな転換点を迎え、4月から9月までは15円/kWh、10月以降は初期費用の早期回収を目的とした新制度が適用されます。

※ 2015年度から2019年度までは、出力制御対応機器の設置義務の有無によって価格が分かれていましたが、現在は統合されています。
※ 2025年10月以降は、期間によって単価が変動する2段階FITへと移行するため、申請時期による違いを正しく把握することが大切です。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁”過去の買取価格・期間等” ”https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kakaku.html”
FITの売電価格は、太陽光発電システムの設置者が、投下した費用を一定の期間で回収できるように考慮して設定されます。
売電価格が下落し続けている主な理由は、太陽光パネル本体の価格低下や、製造技術の向上、市場の拡大による量産効果などによって、システム全体の設置費用が安くなっているためです。
つまり、売電価格の下落は、太陽光発電の導入コストが下がっていることの裏返しでもあります。
結論として、売電価格が下がった現在でも、多くの場合で投資回収は現実的です。
売電価格の下落以上に設置費用も安くなっているため、投資利回りは一定の水準を保っています。
近年は電気料金が高騰しているため、ご自宅の太陽光発電で発電した電気を活用し、電気代削減が可能です。また、発電した電気を売るよりも自宅で消費(自家消費)する方が経済的メリットが大きくなっています。
電気代削減額と売電収入を合わせることで、費用回収は十分に現実的です。
FIT制度による10年間の固定価格買取期間が終了することを「卒FIT」と呼びます。
卒FIT後は売電が完全にできなくなるわけではありませんが、売電価格が大幅に下がり、収入は減少します。
そのため、発電した電気を有効活用するには、「現在契約中の電力会社にそのまま売る」「より高く買い取ってくれる新電力に切り替える」「蓄電池を導入して自家消費に回す」という主に3つの選択肢を検討することになります。
FIT期間が満了しても、特に手続きをしなければ、そのまま契約中の大手電力会社が余剰電力の買取を自動的に継続します。
ただし、買取価格はFIT期間中よりも大幅に安くなり、地域によって差がありますが、現在は1kWhあたり7円から9円程度が相場です。
手続きの手間がかからない反面、経済的なメリットは最も小さくなる選択肢です。
より高い価格で電気を売りたい場合は、卒FIT後の電力を買い取るサービスを提供している新電力会社へ切り替えるのがおすすめです。
新電力会社の中には、1kWhあたり10円以上といった大手電力会社よりも高い価格を提示しているところも少なくありません。
会社によっては、ギフト券や特定のポイントで還元するプランなど、独自の特典を用意している場合もあります。
複数の会社を比較検討し、自身のライフスタイルに合ったプランを選ぶことが重要です。
売電価格が安くなる卒FIT後は、売電するよりも自家消費する方が経済的メリットは大きくなります。
家庭用蓄電池を導入すれば、昼間に発電して余った電気を貯めておき、発電できない夜間や早朝に使うことが可能です。
これにより、電力会社から購入する電気の量を大幅に減らし、電気代を削減できます。
また、災害による停電時にも蓄電池に貯めた電気が非常用電源として使えるため、防災対策としても有効です。
弊社、株式会社ENEOSサンエナジーの販売代理店では、各ご家庭に沿った蓄電池のご提案が可能です。
ここでは、FITの売電価格や太陽光発電の運用に関して、多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
給与所得のある方の場合、売電収入から経費を差し引いた所得(雑所得)が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要となる可能性があります。詳しくは管轄の税務署にご確認ください。
経費には、減価償却費やパワーコンディショナーの交換費用などが含まれます。
FIT制度の買取期間が満了しても、特別な手続きが必須というわけではありません。特段の申し出がない限り、現在契約している大手電力会社が自動的に継続して買い取ることになります。
ただし、買取価格は一律で大幅に下落し、例えば東京電力の2025年度実績では1kWhあたり8.5円程度となります。
より有利な条件で売電を続けたい場合には、ご自身で高単価を提示する新電力会社を探し、個別に契約を切り替える必要があります。
売電収入が減る卒FIT後は、電気を売るよりも家庭内で使い切る方が経済的です。
ペットのためにエアコンを24時間稼働させる家庭などでは、蓄電池を導入して昼間の余剰電力を夜間に活用し、自家消費率を高める対策が非常に有効です。
本記事では、FIT制度における売電価格の最新情報と今後の見通しを解説しました。2025年度10月からは2段階価格FITが導入されたことがポイントとなります。
売電価格は下落傾向にあるものの、設置費用の低下や自家消費による電気代削減を考慮すれば、現在も十分な経済メリットを享受できます。
卒FIT後や新制度下では、蓄電池の導入により自家消費率を高めることが、家計を守る鍵となります。特にお子様やペットがいるご家庭では、電気代を気にせず快適に過ごすためにも蓄電池の活用が有効です。
弊社、株式会社ENEOSサンエナジーの販売代理店では、お客様のご家族構成やライフスタイルに最適なプランを提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。